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西暦2×××年
慰安用有機アンドロイドが安価に大量に生産された時代
とある地方都市 高架橋下にて
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「だんな、だんな。ご旅行ですかい。それともお仕事?
そうですよねえ。こんな何もないところで観光ってことはないやなあ。
どうです。旅のお供に一人。
いい娘ですよ。みんな新品だし。10万のところを8万でどうです。
ちょっと垢がたまっちまったけど、みんな手付かずですって。
保証書だってほら。
え、へんな格好ですか。そりゃあれですよ。
まんがきゃらくたーってやつ。よくあるでしょ。
これ有名なやつなんですよ。せーらーむんっての、知りません?
いや昔の古典なんですけど、ちょっと前にもリバイバルされて、
月にかわっておしぼりよっての、知らない? ああ、そう。
いえ、これがせーらーむんじゃなくてですね。わき役なんですよわき役。
わき役のえーと、そう、あみちゃん。おともだちのせーらーあみちゃんっていうの。
いやでも、古典的名作ってやつですからね。
連れて歩けばおしゃれじゃないですか。教養が感じられるってやつですよ。
月にかわっておしっこよって、教科書にもでてるんでしょう、たしか。
なんなら特別に7万5千にしますよ。
もうね、人間とどこも変わらないし、
仲間が処分されるところをたっぷり見せましたからね。
何でも言うことききますよお。
え、あたりまえ? まあそりゃそうなんですがね。へっへっへっ。
こんな町じゃ他に娯楽もないし、
なんなら旅の間だけで、帰りがけに処分しちまえば、
あ、処分代? へっへっへっ、勘弁してくださいよぉ。
だんなもしかして、仮想現実派ってやつですかい。
いけませんよぉ。あんなもんばかりやってちゃあ。
やりすぎると脳ミソにしっぽがはえてくるっていうじゃないですか。
そりゃ確かにこっちは、糞するし、ゲロはくし、血はでるし、死ねば腐るし、
えさ代、処分代はかかるしで、
でも生身の触れ合いがないと犯罪にはしるって、
大学のえらい先生が言ってましたぜ。
そうなんですよ。最近じゃ処分代も馬鹿にできなくってねえ。
法律も厳しくなっちまったし。
昔は実験動物として病院なんかにまわせたんですが、今じゃそれもいっぱいで。
だいたいつくりすぎなんですよ。いくら安値でつくれるからって。
こんなウケねらいでたくさんつくっちまって、売る方の身にも、
あーいやいやどうも、こっちの話です。
どうですだんな。2人まとめて8万ってのでもいいですよ。3人なら10万で。
意味がない? ああ、あ、いえ、このところはなんだかみんなタンパクですよねえ。
あ、そうだ、こいつ見本なんでためしに味わってみちゃどうです。
いえ汚くないですよ。ちゃんと消毒したし、今日はまだだれともやってねえ。
どうせ明日にも処分しちゃいますから、絞めちゃってもいいですよ。
ほら、だんなにちゃんと挨拶しねえか。
へっへっへっ、どうも。
どうです、自分は処分されても仲間を買ってもらうためにご奉仕するなんて、
ケナゲじゃないですか。
ケナゲって知らない? いや、あっしも知らないんですけどね。
もうね、3万でいいですよ。3万で。
あ、ちょっと、だんあ。だんなあ!
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ああ、兄ちゃん、兄ちゃん。旅行かい。
どうだい、旅のお供に。
かの名作,せーらーむんだよ。月がかわっておもらしよってやつ。
10万のところ8万だい。お買い得だよ。」
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